病院で配布されるはずの蚊帳が
路上で何年も売られ続けていること、
その他にも嫌というほど
見聞きする同じようなこと
もっと悪質なことについて、
現地の事情をよくわかっている数人の友人や知り合いに
それとなく話してみました。
売られている蚊帳について
そういうことを連絡するホットラインも
しっかりあるのですが、現地の友人たちは、
「そこに電話しても何も変わらないと思うよ。それどころか、そんなことしたら自分の身、現地のスタッフに危険が及ぶかもよ。」と。
もう一人の現地の友人(彼女はパキスタンと現地のハーフ)は、
「このよそ者が。騙ってろ。。って思われるだけだからやめたほうがいいよ。」と。
アメリカ人の友人は、
蚊帳にアメリカ政府からの援助の印が入っていたことを伝えると、
「ひどい。海外からの援助をしっかり回していれば、きっと今頃現地の貧しい人の暮らしはかなり違うと思う。私がその組織に連絡するよ、そうすれば何か変わるかも!」
でも彼女は、自分が現地にいたときのことを思い出すと、
「あぁ。でもきっとその組織のトップの人たちも、そんなことはもう知っているんだろうな。私が現地で活動していた団体も、援助金を全額そっくり盗むわけじゃなくていくらかは活動に使い、残りは盗んでいて、そういったことも組織のトップに報告したことがあったけど、結局何も変わらなかった。そういう現実に疲れてしまって契約終了を待たずに私、アメリカに戻ったの。」と。
日本にいたときに、日本のとても優秀な大学で
そういった国の経済などの統計等を研究されている方と、
一瞬だけですがお話させてもらう機会がありました。
「そういった賄賂、汚職なども一つの経済効果です。賄賂のお金も現地で使われ、経済を回していますから」
というようなことをおっしゃっていて。
「あぁ。世の中そういうものなんだ」と思う反面、
日常の暮らしで頻繁にそういったことを要求される、
現地の人たちのことを思うと、
なんだかやりきれない気持ちになりました。
現地の友人は、
「みんな植民地時代、独立戦争、内戦で苦しんだ経験があるから、今は自分の番だと思っているんじゃないかな。」と。。
他の現地の知り合いは、
「世界は弱肉強食な世界だから。」と。。
いくつかの国で大使として勤務されていた南アフリカ人の友人は、
「これはこの大陸の多くの国で起きている一言では片づけられない根深い問題で、望みは、新しい世代、若いリーダーたちが少しずつ変えていってくれたらと私も望んでいるよ。教育とリンクして、そういったことは間違っていると声に出して堂々と言える世の中になってほしい。だから何年も言い続けてきたけど、アシャンテママの地道な活動はとても大切で1人のアフリカ人として、とても感謝しているよ。」と。。
現実に起こったことでも、
現地の人々について悪い印象を与えてしまうようなことは
ブログにあまり多く書くべきではないと思うようになって、
いつからか控えるようにしていました。
今回のこともブログに書くことは控えようと思っていたのですが、
帰りの飛行機でたまたま隣に座ったソマリア出身の女の子と
話をして、やっぱり少しだけでも書こうと思いました。
この19歳の女の子、
ソマリアから家族で逃げて、ケニアのナイロビで暮らし
今はロンドンにある大学に通っていると教えてくれました。
家族は油田関係の仕事を
経営しているようで裕福な家庭のようでした。
その子とお互いのことを少し話すうちに、
「なぜこの大陸の多くの国、特に南部や東部は、
貧しい多くの人々が取り残されてしまっているのか」という話になりました。
その子の最初の答えは、
「そういう不公平な深い闇があるから」と。
現地に住む知り合いも、
「そういった現実、これから変わると思う?もうずっと骨の髄まで染み込んで、当たり前のこと過ぎて変わらないように思う。。。」と。
ただそういうことを
なんとかしたいと願っている人は
現地でも、とても多くいることも確かです。
日々、そういったことに苦しむ現地の人たちを思うと
本当にやるせなくて、考えれば考えるほど
今だに世の中についてよくわからなくなります。
戦争、内戦が終わっただけでも素晴らしいことで、
これから徐々に徐々にそういったことも変わっていくと願って
新しい世代の子供たちに、教育支援を変わらず続けていくことが
出来たらと思ってます。