ナディアの赤ちゃんのこと。
勉強小屋に通っている新しい子で、
ナディアっという名前の16歳の女の子がいます。
2人の子供がいますが、ナディア自身も歩くのもたいへんなほど
骨だけの体になってしまっていました。
アフリカの子達、
特に足はみんなすらっと細い子達ばかりですが、
彼女のふくらはぎは、私のふくらはぎの
10分の1ぐらいしかないです。
それでも体調がいいときは頑張って
勉強小屋に小さな赤ちゃんを背中に背負って
通ってきていて具合が悪くて来れないときは、
いつも食べ物を持って
ルーキアがお見舞いに行っています。
(肌の色が違う私はあんまり
みんなのおうちに行かないようにしています。
近所の人に見られて彼女たちがいやみを言われたり、
余計ひどい対応をされたりしてしまったりすることがあるからです。)
彼女がいつも背負っているがりがりの赤ちゃんも、
2歳ぐらいだと教えてくれたけど、生後3、4ヶ月ぐらいにしか見えず、
目もうつろで弱りきってしまっていました。
目のまわり口のまわりにたくさんたかってくるハエたちを
自分ではらいのける気力もなく、まばたきもあんまりせず、無表情でした。
病気や栄養失調でがりがりに痩せこけてしまった人をみると
かわいそうに。。って思ったりする人たちももちろんいますが、
差別対象になったりもしてしまうと聞きます。
エイズだって言ったり、もうすぐ死ぬって言ったり、
気持ち悪がったり。。と言うこともあると。
みんなの話を聞いていると、
親子や兄弟、家族同士なのに
ひどい扱いをする人たちがあんまりに多いような気がしてしまいます。
ナディアの赤ちゃん、あんまりに弱りきっていて、日に日に
食べ物を食べる気力まで無くなっていってしまって、
ふかしたおいもを潰したものが好きみたいだったから
いつもお金も渡したりして
勉強小屋のない日は食べさせるように、
緊急援助として食べ物も渡していました。
先日、勉強小屋の授業が終わった後、スタッフそれぞれ忙しくてあたふたしていたら
彼女にいつも渡すはずだった緊急援助としての
お米やたまご渡す前に彼女ふらふら出て行ってしまって
渡せずじまいになってしまっていました。
心配していたら、次の日、赤ちゃん、
その日の夜に亡くなったと人づてに連絡がきました。
アシャンテママの教室にくる前、長い間、
「病院という場所に行くと
私の赤ちゃん殺されるから行かないっ」て
ずっと弟に言っていたみたいで
説得して治療を受け始めたばかりでした。
赤ちゃんの小さなお葬式が終わったあと、
勉強小屋で撮った写真を調べて、
ナディアと赤ちゃんが小さくだけど写っている写真、
見つけれて、印刷して彼女に渡しました。
ナディア自身も写真を撮ったことがないし、
赤ちゃんの写真も一枚も撮らないまま
亡くなってしまったので、
驚いて不思議そうにじーと写真見て、ありがとうって。
赤ちゃんが亡くなってしまう前に、
他にもっと何かしてあげられたんじゃないかと罪悪感でいっぱいになりました。
あの日、おいも代のお金や食べ物しっかり渡していれば
赤ちゃん亡くならなかったのかもって思って
私はまた取り返しのつかないことをしてしまったって
思って申し訳なくて涙が出てきます。。
きっとあの状態の赤ちゃん、もう手遅れだったんだと
あそこまでがりがりになっても生きていてくれたのは
赤ちゃんの最後の生命力の強さだったのかもしれませんが、
それでも、、と思わずにはいられないです。。
どうか今は天国で穏やかに暮らしていますようにと思うばかりです。。
写真。 唯一あったナディアと赤ちゃんの写真。 大雨で勉強小屋の中も
ぐちゃぐちゃになってしまったときの写真。
壁のそばに立って野菜スープ食べてるのがナディアと赤ちゃん。