マイクロファイナンス

 


  2ヶ月前から協会の数人の女性たちにマイクロファイナンス
 (小額のお金を貸してあげて彼女たちが小さな物売りなどをして、
 毎月少しずつ返していく)が始まっています。

 マイクロファイナンスについては聞いたことがありましたが、
 いつもメールで相談に乗ってくださっているよーこさんが
 (よーこさんのブログ
 詳しく教えてくださいました。

 半年ぐらい前から現地の人たちやネットでも調べ始めて、
 勉強していました。

 そのままお金を受け取って逃げてしまった例、
 お金を全部使い込んでしまった例、
 あと、返済ができなくなって協会のひとたちに、
 家のもの(服とかお皿とか)を
 借金の肩代わりに奪われて
 前よりもっと貧しくなってしまった例。

 学校へ通った経験が今までの人生でなかった協会の女性たちに
 どんな方法でお金を稼ぐことができるか、
 貸す側の協会としてどんなサポートができるのかと考えていました。

 初めて、協会の女性たちに 
 「こういう案(マイクロファイナンス)があるよ。」って
 伝えたとき、たくさんの女性がやってみたいと。


 みんな読み書きができないので、それぞれ商売の経験があるかどうか
 (道端に座ってお豆やバナナを売ったことがあるなど。)
 やどうしてその商売が潰れてしまったのか、
 これからどんなものをどこで売りたいか、
 (だいたいは炭をずた袋1つ(360円)まとめ買いして
 小さな袋ににいれて売る(15円)や、
 お豆をバケツ1杯分まとめ買いして小さなコップ
 1コップ(15円)で売る。。などです。)等を聞いていきました。

 全部売り切って利益はだいたい200円ぐらいです。
 毎月80円から200円ぐらい
 返していく仕組みです。


 最初はまず数人から
 最低金額で600円、最高金額で3000円ではじめました。。
 本当は、6000円ぐらいまでにしたかったのですが、
 借りるほうの彼女たちも
 はじめてだし、私ももちろん初めてで
 慎重に。。と思って本当に小さなマイクロファイナンスです。

 始まって3ヶ月目が経って、
 もしかしたら最悪こういうことが起こってしまうかも。。って
 頭の隅で心配していたことが本当に起こってしまいとても悲しいです。

 ここに住む現地のかたたちは、近所の目をとても気にします。
 それに近所の人たちの行動や生活にとても興味があります。

 (テレビもラジオもなく学校も行ったことがなく、
 閉鎖的な環境にいて 入ってくる情報はいつも
 近所のうわさ話だけなことが影響していることのひとつだと思います。。)

 近所の女の子が新しい布身に着けてるのを見ると
 早速、みんな想像力を勝手に膨らませて、

 「あの子の旦那、無職なのに、
 いったい誰にあの新しい布買ってもらったのかしら。
 旦那に隠れて他に男がいて貢いでもらったか、
 絶対売春してるに違いないわ。」

 

 とすぐに噂話に花が咲くそうです。


 本当に当たっていることもありますが、
 あっという間に他の近所の人にも話して
 みんなで新しい布を持ってる彼女に嫉妬して冷たい目で見るそうです。

 今回マイクロファイナンスをするに当たって、
 もしかしたらマイクロファイナンスで小さな物売りをはじめたのを
 彼女たちの近所の人たちがみて嫉妬されてしまったら。

 泥棒に入られってこられたら。。


 不安に思ってたことが本当になってしまって、

 一人の女性は日曜日の朝、教会にお祈りにいっている間に
 泥棒に入られて、蚊帳と服、布などを盗まれてしまいました。


 旦那さんを亡くしてしまって残された子供たちと
 雨で崩れかけた本当に小さな家に住んでいて、穴トイレを作る余裕すらない女性なのに。

 もう一人の女性は、夜中寝ているところにドアを壊されて男の人(近所の)に入られてしまい、
 ぼこぼこに気を失うまで殴られて、蹴られて、
 彼女の赤ちゃんも奪い取られて思いっきり壁に打ちつけられて。


 2人とも命は大丈夫でしたが、
 横になったまま、座ることも立ち上がることもできなくなってしまっていて。

 タクシーを呼んで、スタッフのアンジェリーナに病院まで付き添ってもらいました。
 (肌の色が違う私が迎えにいくとまたややこしいことになってしまうため。)

 こういう風にすることでまた近所の人たちから冷たい目で
 見られてしまうのがやるせないです・・。
 

彼女が襲われたとき、助けてくれたご近所のかたたちも
いますが、すぐ隣に住む女性は、大爆笑して

 「学校なんかのんきに行ってるからだよ( 私たちの協会のこと。。)」

「私もお父さんもお母さんも子供のとき死んでとても貧乏で苦しんだけど
一回も協会とかそういうのに助けてもらわずに生きてきたんだから。」って。

彼女がプレミオ(お砂糖とか油、お塩など600円相当のもの)
を月に1度ぐらいのペースでもらうたびに
彼女よりはまだましな暮らしをしている近所の人たちに
「砂糖分けてよー。油もくれ。」と言われて持っていかれてしまうって
ことも聞いたり。。

今回、マイクロファイナンスをしてたからとか協会で
勉強していることをよく思わない人たちに襲われたのかどうか
わかりませんが、
家に入る泥棒や強盗はいつもいつも聞く話で
本当に悲しくなります。

マイクロファイナンスをやってない他の協会の女性たちの
おうちにも入ったことも何回も聞いて、
これも家族の誰かが亡くなった場合と同様、
強盗が入ってしまったかたに お見舞いとして、

協会からはお米3kgとお豆2kgと
私からは最低限の必要な服、バケツ、おなべ、お皿、コップなど
協会のみんなは3円ずつ出し合って彼女たちに渡していくことに決めました。


少しでもこういうことが減っていくようにと思って
何かいい解決策はないか考えています。




 写真。

 協会の勉強会の様子です。
 人数が増えて外にはみ出して座っていますが
 今は雨期ではないので大丈夫です。

 子供たちも寒い中、元気に通ってきてくれます。
 





 

栗山さやか | モザンビークでの活動 | comments(9)
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