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エスペランサと美樹ちゃん

 

数年前からアシャンテママの1つ目の教室に通っている

15、6歳のエスペランサという女の子がいました。

 

今回、彼女が妊娠していることを聞いていました。

 

ここでは、早くに妊娠をしてしまう子たちが多くいますが、

この赤ちゃんの父親と、しっかり結婚したり、あるいは一緒に暮らす子たちは少ないです。

 

食べるものが十分に無かったり、服などが欲しくて、

近所に住む男の人たちに食べ物や服をもらったりして、

その代わりとして体を求められ、応じてしまい。。。

 

妊娠がわかったら、お腹にいる子供ごと拒否されることが

ここではとても多いです。

 

エスペランサの場合もそうでした。

大きくなったお腹を布で隠すようにして、

アシャンテママの教室にも変わらず休まず通っていました。

 

元々口数のとても少ない子で、

「体調はどう?困ったことはないかな?」

と時々、聞いていました。

 

もっとしっかり話を聞いてあげればよかった。。と

今になってとても悔やんでいます。

 

先日、エスペランサ、夜中に出産して、

その次の日に赤ちゃんを残して亡くなってしまった、

と連絡が入りました。

 

あまりの突然のことで。。

数日前にはいつも通り一緒に教室で過ごしていたのに。。

 

エスペランサ自身、7歳ぐらいの頃に母親を亡くし、

精神疾患を患っていた父親とも疎遠になり、

ずっと祖母に育てられていて。

 

お葬式に参列しました。

 

彼女をずっと育ててきた痩せたおばあさんにご挨拶すると、

「家でも口数のとても少ないエシュペランサが、

あなたのことを時々話してくれた」と

教えてくれました。

 

「マナさやかに赤ちゃんが産まれたんだって。

女の子だったんだって。いつか連れてきてくれて

見せてくれるんだって。楽しみ。。」

 

「アシャンテママに休まず通ったから服がもらえたよ。嬉しい。」

 

「今日は鶏とじゃがいもをみんなで食べたよ。美味しかった。」って。

 

電気もなく窓もない暗い家の中で、

布に包まったエスペランサの産まれたばかりの

小さな赤ちゃんをこのおばあさんから渡され、

「名前を決めてあげてほしい。あなたの国の名前をつけて。」と。

 

ある方々にお願いして、

「美樹ちゃん」とお名前を付けさせていただきました。

 

美樹ちゃんは母親(エシュペランサ)と、

祖母(エスペランサのお母さん)を亡くしているため、

曾祖母のこのおばあさんに育てられることになりました。

 

ここでは、父親の名前が子供の苗字になるのですが、

父親に拒否されてしまった美樹ちゃんの苗字は、

母親の名前になりました。

 

父親の身分証明書(戸籍のようなもの)がないと、

美樹ちゃんの身分証明書の発行が難しくなるのですが、

私も登録所に行って事情を説明して、

受け取ることができました。

 

エスペランサが安心できるように、

これからも美樹ちゃんの成長を見守り続けていけたらと思います。

 

写真

お祈りをするように手をしっかり組む美樹ちゃん。

今は冬で寒い時期なので、この帽子や、

暖かい服を渡させていただきました。

 

 

栗山さやか | モザンビークでの活動 | comments(9)

コメント欄

こんにちは、さやかさん、
美樹ちゃん、ホントにお祈りしてるようですね。
大きくなって、アシャンテママに、通えるようになるといいですね。
Comment by もう一人のマロン @ 2019/07/26 11:47 PM
美樹ちゃんがエシュペランサさんの分まで長生きする事を祈ります。
Comment by Ken @ 2019/07/29 7:17 PM
いろいろ大変ですね。俺もいろいろ大変ですが体調崩さないように仕事頑張ります。さやかさんも大変でしょうけど無理の無いように頑張って下さい。
Comment by スマート @ 2019/07/30 8:15 AM
エシュペランサが短い生涯の間に、さやかさんとの良い思い出を持てたことはせめてもの幸いだったと思います。美談にホロリとなりそうですが、エシュペランサの無念、そして美樹ちゃんや曾祖母の今後の苦労を考えると、二度と同じようなことがあってはいけませんね。。学校での性教育とか、避妊具の配布とかはされてないのでしょうか?
Comment by 3・18 @ 2019/07/31 9:40 PM
さやかちゃん

悲しいお話・・・
涙がでます。

でもでも、この美樹ちゃんのしっかり握られた小さな小さな手を見て、生きる力を感じました。
きっと大丈夫!
元気にしっかり育つね。きっと!
地球の裏側からみんなでいっぱいいっぱい応援してる。
きっと、エシュペランサちゃんも喜んでるね。
エシュペランサちゃんは本当に可哀そうだったけど・・・
しっかりこの美樹ちゃんをこの世に送り出したんだね。
ママの分も美樹ちゃんがんばって!
応援してる。ずっとずっと!


Candy
Comment by Candy @ 2019/08/01 11:04 PM
管理者の承認待ちコメントです。
Comment by - @ 2019/08/05 2:00 AM
こんにちは

コメントはしばらくしていませんでしたが、
ブログ拝見していました

日本も生きづらいなーと最近特に思ってきていますが、
教室に通う子供たちのことを思うと、
自分の生活も恵まれているんだなーと改めて思います

さやかさんの活動が、
現地の子供たちの希望になっているんだと思います

誰もができることではないです
ありがとうございます
Comment by トムトム @ 2019/08/08 8:41 PM
今年、さやかさんの母校に入学した次男を持つ母です。今年の読書感想文でさやかさんの本を読むんだと学校から帰ってきて、私の方が先に次男より早く本を読みました。

丸い地球の上にいるのに、生まれるところが違えばこんなにも置かれた状況に違いがあるのかと涙しながら本を読ませていただきました。

本を通じて、違う世界を見せていただいたことに感謝します。がんばってください。応援しています。
Comment by えいえもん @ 2019/08/12 1:18 PM
>もう一人のマロン様
 いつも本当にありがとうございます。 美樹ちゃんの成長これからも見守りたいです。今無事に3カ月になりました。。




>KEN様
 いつもありがとうございます。。 美樹ちゃんの成長また報告しますね。





>スマート様
 ありがとうございます。 どうか熱中症などお体にお気をつけて過ごされていますように。。





>3.18様
>>学校での性教育、避妊具の配布など、
マラウィでは徹底していて、18歳未満の女の子を妊娠させた人は今では逮捕されると聞きました。これによりマラウィ側では10代の妊娠がかなり防げるようになったと聞きました。(以前は、ある部族では、大人への儀式として、大人の男性と性交させられることもあり。この男性がHIV感染者だったりして大問題になったとのことです。) 
実際2016年から始めたマラウィ側のアシャンテママに通う女の子達は一人も妊娠してしまったことがないです。

モザンビーク側は、早期結婚は法律で禁止されるようになりました。ただ早い子で12歳から結婚せずに妊娠してシングルマザーが多いのが現実です。 今後性教育、避妊具配布などもっと徹底していくと思います。アシャンテママでの教室では子供達へ、教科書に載っていること以外の授業は禁止されていること、文化的宗教的な背景もあり、なかなか踏み込んでは話せていません。 
ただ教科書に沿って、妊娠など体の仕組みや、HIVなどの性感染症の話、自分の体を大切にするように、みんなが疑問に思うこと、性交などに関する言われている噂話など、少しでも現状を変えられるように話しています。
長くなってしまいました。読みづらくなってしまっていたらごめんなさい。。
3.18様いつも本当にありがとうございます。。




>CANDY様
ありがとうございます。。
エシュペランサに関して、もっと何かできたんじゃないかと後悔ばかりです。。
いつも応援してくださってありがとうございます。



>トムトム様
 ご無沙汰しております。
ブログ変わらず、読んでくださっていたとのこと、嬉しく思います。ありがとうございます。 どこであっても、みんなが行きやすい世界であってほしいと私も強く願います。。

 何年もブログを読んでくださって本当にありがとうございます。。 熱中症などどうかお気をつけて今年の夏を楽しまれていますように。




>えいえもん様

初めまして。えいえもんさん。拙著を読んでくださったとのこと、ありがとうございます。
次男さんが私の母校に通っていらっしゃるとのこと、読書感想文を書いてくださるとのこと、嬉しく思います。

そしてこのブログを探してくださって温かいコメントまで下さりありがたい気持ちでおります。
本当にありがとうございます。。
どうか次男さんにもお礼をお伝えいただけたら嬉しく思います。






Comment by 栗山 @ 2019/08/17 4:17 AM

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