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ルーシアさん。

 

アシャンテママで働く私と同年代のルーシアさん。

 

ルーシアさんは、約8年前に、

アシャンテママの女性たちの教室に通ってきていたひとりでした。

 

ルーシアさんがアシャンテママの教室に通っていたとき、

いつも同じボロボロの服を着ていて、はだしで、

やせ細った体に、やせ細った赤ちゃんを抱えていました。

 

しっかり住む場所がなく、母乳も出ず、薄汚れた哺乳瓶をいつも持って、

その地域で物乞いのようなことをして歩いていた女性、

と聞いていました。

 

元々近くの村に住んでいて、今まで6人出産したけど、

1人は産まれてすぐ、他の4人は、2歳ぐらいになる前に

次々と死んでいってしまって、

最後にひとりだけ残った赤ちゃんと暮らしていたそうです。

 

この赤ちゃんがお腹にいる頃に旦那さんも亡くなり、

なんとか生まれた、赤ちゃんも弱ってきてしまって、

今までの子供たちのように死んでしまわないように、

この町の病院に来るために、急いで自分の村を出てきたと。

 

栄養失調、感染症などで弱ってしまって痩せこけた赤ちゃん、

入退院を繰り返していて。。。

 

村までの病院の診察に行き来する乗合ワゴン、トラックの荷台(バス)に乗れるほど

お金は持ってなく、町の知り合いの家などを赤ちゃんと二人で、

転々として、水汲みや薪割り、その人たちの家の家事をして、

崩れそうな泥とわらの小さな家に住まわせてもらっていました。

 

ルーシアさん自身も8歳ぐらいの頃に、もう両親が亡くなって、

親戚の家に引き取られて育てられた女性です。

 

女性の勉強会がある朝、

冷え込みが厳しい寒い冬の朝でも、ルーシアさんは、

誰に言われたわけでもないのに、一番に早く来ていました。

 

そしてわらの勉強小屋の周りを、

自分で木の枝を集めて作ったほうきで掃いてくれていて、

ゴミを拾ったり、

水汲みなどもいつも自然と手伝ってくれていました。

 

それに、他に困っている女性たちのことを、

いつも気にかけている優しい気持ちを持っているなぁと、

日々接する中で思っていました。

 

当時、アシャンテママのスタッフは、

数人の高校に通う女性たち(と言っても私より年上だったり)

同年代の子たちを雇っていました。

 

ですが、このスタッフの女性たちは、

アシャンテママの教室に通う貧しい女性たちと挨拶するときに、

「呪いをかけられそうだから握手したくない」と嫌がったり、

その他の言動に諸々不安に思う点があったので、

逆にルーシアさんに働いてもらったらどうかな?

と思い始めました。

 

ルーシアさんは、子供の頃、小学校4年までは学校に通ったことがあって、

少しだけポルトガル語が話せて、

自分の名前や簡単な単語なら読み書きができる女性でした。

性格もとてもまじめで、正直で優しくて。

 

ルーシアさんが住まわせてもらっていた家族と

うまくいっていないと聞いていて、

そんな時、ルーシアさんが寝泊りしていた小屋に強盗が入り、

ルーシアさんは、暴行を受け、赤ちゃんも壁に投げつけられて、

持っていたお豆なんかを強奪されたと聞いて。。。

 

それを聞いて、すぐにお見舞いにいきました。

 

受けた暴行がひどすぎて、立てなくなって寝たきりのままで

薄暗くて狭くて、湿ったような土の上に

布だけひいた小さなぼろ小屋に

赤ちゃんと横たわっていました。

 

 

ちょうどその時期に、

アシャンテママの教室を移動しなくてはならなくなり、

急遽みんなでわらの教室を解体して新しい土地を見つけ、

新しいわらの教室を作りました。

 

そこには、小さな家もあって住む人がいたらいいなと思っていて、

ルーシアさんに聞いてみると「ぜひ住ませてほしい」と。。

 

それが、もう7年前ぐらいのことです。

 

今でも変わず、アシャンテママの教室の場所に住みながら、

リーダーになりしっかり働いてくれています。

 

アシャンテママの教室がない日でも、

お腹がすかせた子供達が教室に来たり、

親せきの家に預けられていて、

家にいると暴力やひどい言葉を浴びせられている子供達が、

教室に自然に集まってきていて。

 

ルーシアさんはいつも自分の食料をみんなに分けていて、

「アシャンテママの予算からそういう子供たちが来たら

食費として使っていいからね。。」と伝えても、

使わずに自分の食べ物を分けてあげていてばかりで。

 

誰かが病気で寝込んでいると聞けば、

いつも気にかけてお見舞いに行き、

水汲みなんかなんでも手伝ってあげていると、

他の人たちからいつも聞きます。

 

悲しい現実が多い場所でルーシアさんの存在に

みんなものすごく救われていると思います。

 

仕事のうっかりミスのことや、

あーでもないこーでもないと、色々話すこともありますが、

現地を離れて暮らす私自身、お金の管理を含め、

ルーシアさんの存在にとても助けられています。

 

数年前、彼女の唇に炎症があり、ずっと治らずにいて、

もしかしたらと思い、検査を受けてみたらどうかな。。と聞いて、

彼女も「受けたい」と言って、病院に付き添いました。

 

結果、HIVに感染していることがわかりましたが、

ルーシアさんは、他にも感染がわかって落ち込む女性たちに、

温かい言葉をかけて、とても前向きで。

 

ルーシアさんに知り合えて私も多くのことを彼女から学びました。

彼女の存在がとてもありがたいです。

 

何年も一生懸命働いてくれていて、感謝するとともに、

色んなことを乗り越えてきたルーシアさんが

幸せであることをいつも願っています。

 

 

写真

 

畑で働いてくれていた女性へ、お給料の支払いをしているルーシアさん(ピンクの服)

 

 

子供達へプレミオの日、手を振るルーシアさん(右下)

 

 

 

 

栗山さやか | モザンビークでの活動 | comments(6)

コメント欄

さやか様 
12才の亡くなられたルーシアちゃん。HIVになってしまったルーシアさん。悲しいですね…





Comment by Ken @ 2018/11/08 5:48 AM
さやかちゃん

すばらしい方ですね、ルーシアさん。
本当に本当に心も体も休めて平和に暮らしていっていただきたいですね。同じ空の下に生れてきて、どうしてそんなに辛く悲しい人生を背負わねばならなかったのでしょう・・・神様に聞きたくなりますが・・・ルーシアさんも、さやかちゃんとの出逢いをきっかけに、しっかりと地に足をつけて生きていけてる今が一番幸せだと思います。
HIVの治療や、投薬は受けているのでしょうか?
ルーシアさんが、子供たちと、いつも笑顔で元気でいてくれることを、心からお祈りしています。



Candy
Comment by Candy @ 2018/11/08 10:51 PM
ルーシアさんのことシェアして下さってありがとうございます。もし自分がルーシアさんのような境遇だったら、人生に絶望して何もできなくなってしまう気がします。彼女は大変な状況の中、周りの人への思いやりの心があって、物理的なサポートしていて。簡単にできることじゃないですよね。
同じ地域に生まれ育っても人を騙したり人のものを平気で盗んだりする人達がいる一方、ルーシアさんのような優しい心を持てる人もいて。その違いはどこから来るのだろう、と思わずにいられません。
Comment by Maki @ 2018/11/09 4:14 AM
ルーシアさんの笑顔を見ていると癒されますね。HIV陽性とのことですが、ルーシアさん自身の体調は大丈夫なのでしょうか? いずれ本格的に身体が蝕まれてくることを思うと何だかやりきれないですね。モザンビークでは良い人から順に亡くなってしまうのでしょうか?
Comment by knulp @ 2018/11/10 3:14 PM
>Kenさま。
  
 本当ですね。。 コメントありがとうございます。。。







>Candyさん。
 ありがとうございます。

 ルーシアさんは、病院に定期的に検査に行ってコントロールを受けております。 ルーシアさんのことを想ってくださってありがとうございます。
 
>>同じ空の下に生れてきて、どうしてそんなに辛く悲しい人生を背負わねばならなかったのでしょう・・・神様に聞きたくなりますが・・・ 

 私もそう思ってしまいます。 同じ時代に生まれても人によって人生が大きく違いますね。 生まれた場所の差はとても大きいように思います。

 
ルーシアさんは、アシャンテママで働けていること、とても感謝してくれていて、一生懸命働いてくれています。

あんなに小さくてやせ細った赤ちゃん(アシャカ)も無事に育っています。 

CANDYさんいつも気にかけてくださってありがとうございます。





>MAKIさん。
 私も本当にそう思います。
 人はどこで違っていってしまうのでしょうか。
 同じ場所に生まれても、きっと小さな頃からのすぐそばの環境、すぐそばにいる人々から受けた影響、正しい教育、などそういったことも深く関係しているのではないかと思っています。
MAKIさん、いつもありがとうございます。。





>knulpさま。

ご心配してくださってありがとうございます。
ルーシアさんは、定期的に病気でコントロールを受けていて、免疫力の低下もそこまで悪くないとのことです。 HIVに感染していてもしっかり検査治療投薬を続ければエイズを発症してしまうことは避けられるので、ルーシアさんがいつまでも元気でありますように。。サポートできることは今後も続けていければと思っております。 

>>モザンビークでは良い人から順に亡くなってしまうのでしょうか? 

やはり、弱い立場(貧しい)の人たちが様々な要因(栄養不足、免疫力の低下、薬が手に入らないこともある、環境の悪さ、売春のようなことをして食べ物を手に入れる状況に追い込まれる、教育を受けてなく病気などの正しい情報の不足、家や周囲が安全ではないなど)により、病気にかかりやすい、命を失ってしまう確率が高いと思います。とても悲しいことです。

ルーシアさんの笑顔とても素敵ですよね。
コメント本当にありがとうございます。

Comment by 栗山 @ 2018/11/14 7:08 AM
題名を見て、ルーシアさんに何かあったんじゃ?!と夢中で読みました。
「HIVに感染」の文字に愕然としました。
さやかさんや他の方もおっしゃってるように、生まれた場所でこんなにも生きてく環境に差が出てしまうのは本当にやりきれないですね。。。
ルーシアさんとどうやって知り合い、どうやってさやかさんと働く事になったのか密かにずっと聞きたいと思っていたので、今回のブログでルーシアさんに一歩近づけた気持ちになりました。想像を絶するような環境で活動される中、さやかさんにとってルーシアさんは無くてはならない存在なのでしょうね。
きっとルーシアさんもまた、さやかさんと出会えた事は生涯の宝だと思います。 ルーシアさんがこれからも優しい心を失わず、穏やかな暮らしが出来る事を心から願っています。
Comment by Tina @ 2018/11/14 1:23 PM

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