子供を連れてきてくれた女性

 

アシャンテママの教室に何年も通っていた女性が、久しぶりに教室に来てくれました。

 

5歳になる自分の子供を、アシャンテママの教室に通わせて勉強させてほしいとのことでした。

 

活動している地域では、子供たちを公立の学校やアシャンテママの教室に通わせることをよく思わないご家族、親類の方がいることもあります。

 

労働力を削られてお金にもならない勉強をさせるよりも、毎日毎日多大な労力と時間が必要になる家事(水汲み、遠くにある川への洗濯、薪拾い、薪に火をつけるところから始まる料理、幼い兄弟の子守りなど)や、家族が飢えに苦しまないように小さなうちから畑を手伝うことのほうが重要、という考えがあります。

 

ただ、自分自身が子供の頃、一度でも小学校に通った経験があると、自分の子供にも勉強をさせてあげたいと思う確率がかなり上がると言われています。

 

今回、自分の子供を連れてきたこの女性もそうなのだろうなぁと嬉しく思いました。

 

子供を学校に通わせること以外にもそれぞれの地域には、それぞれの地域が大切に守ってきた伝統、習慣、文化があり、時代の流れと共に、少しずつ時代の流れに合わせて変化していくのだろうと思います。

 

アシャンテママの活動が、少しでも厳しい暮らしをしている子供たちの希望の灯りになれることを思い活動を続けさせていただいております。至らない点も多くありますが、少しずつでも良い変化をもたらし、子供たちが教育を受けることは当たり前になるように、子供たちが亡くなっていくことはよくあることではなくなるようにと願っています。

 

ご支援して下さる皆様本当にありがとうございます。

個別にお礼をお伝えすることが出来ておらず大変申し訳ございません。

心から深くお礼申し上げます。

 

【写真】アシャンテママの教室に通う子供たち

 

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(4)

悲しい現実

 

大きな国際機関の女性に対しての性的虐待疑惑のニュース

 

WHO職員の性的虐待疑惑 53か国が説明要求

(Yahoo! ニュース)

 

このニュースBBCのラジオでも流れていて、それを聞いて証言をした女性たちの身に危険が及んでしまわないか心配すると同時にほっとした自分がいました。

 

やっと大きなニュースになったと。

 

とても悲しいことですが、現地にいるとこういったことは耳にする話でした。

 

残念ながらこれはいくつかの国の難民キャンプ内でも起こっていたと難民の友人からも聞く機会がありました。

 

やはり、難民や被災者対職員(特に現地スタッフ)は、弱者対権力者みたいな構図になってしまっていると感じている人々も多かったと思います。

 

今回の紛争でも紛争から逃れてやっとたどり着いた避難場所で、女性が体を提供しないと食料配給が受けれなかった、お金を払わないと無料であるはずの食料支給券が手に入らなかったというニュースも目にしました。

 

無料で救出してもらえるはずの紛争地からの軍救援飛行機も最初は子供や妊婦病気の人を無料で運んでいたのに、途中から現地の人たちにとったら大金を払った人だけ順番に乗せてもらえたとニュースを先日読んだばかりです。

 

ただその事実を公にできる力のある機関もそのことを公にして交渉を台無しにしたくないので詳細は話してくれなかったとのことでした。(こういったことがニュースになるだけでも救いの一歩な気はしますが、ここでも腐敗などの問題を記事にするジャーナリストが殺害されたり、誘拐、行方不明になったりすることもあります。)

 

また、難民キャンプで生活する人には1日1900カロリーの食糧支援が約束されているはずですが、ある難民キャンプでは、実際難民の人たちの手に渡るのは数か月に一度とてもわずかな食糧で。一体どこで消えてしまっているのかと。

 

被害に遭ってしまっても結局訴えるところがない、訴えたところで揉み消され、今度は自分の身が危険になる、自分の家族に危害が及ぶ恐怖があり結局は泣き寝入りになってしまったままという現実があると。

 

私自身、日本にあるこの組織の事務所にこの声を届けるべきと思いながらも、以前声を上げた難民の方たちがその後どうなってしまったのかも聞いています。単なる部外者である私個人であっても、伝えることで何がか少しでも動く可能性を信じたいですが、その情報を提供した難民の友人たちが特定され、その後彼たちがどうなるのかが恐怖で動く勇気がありませんでした。

 

 

アシャンテママを立ち上げる前に私がボランティアしていた現地の小さな団体で、大きな国際援助機関と一緒にプロジェクトをするという案があり、企画書を審査してもらう機会がありました。

 

その担当者はニヤリとした顔で、私に夜、彼の泊まっているホテルの一室に来ることを要求しました。

 

なぜホテルの一室なのか、なぜ私が夜一人で行かないといけないのか(他にもスタッフは大勢)、夜暗くなってからふらふら外に出ること自体が危険な場所で、警察も頼ることができない場所で。もちろん行きませんでした。

 

結果企画書もこのことが関係しているかはわかりませんが、審査に落ちました。

 

この担当者は、ヨーロッパに留学経験もある医者であり、首都で薬局もいくつか経営しているとても裕福な人と聞きました。

 

彼が「アフリカで医者なんてやってられないよ。給料激安すぎて。国際機関はいいよー。給料すごくいいから。」と。

 

彼が、私がアジア出身なのもあってか、児童買春撲滅のためにタイに行ったと話をしてくれ、夜は、未成年の子を買春してとても楽しんだとニヤニヤしながら言いました。 

 

私が勇気を振り絞って「ひどい。なぜそんなことをしたのですか?」と伝えると、「やっぱり現状を知らないといけないからね、それに違う人種と経験することにも興味があったから。すごく安かったしね」と。

 

昼は経費を使い飛行機に乗って別の大陸に行き高級ホテルに泊まり、児童買春のための国際会議に参加し、夜そういったことをしたと笑顔で話してくる彼に、怒りと恐怖を感じ大きなショックを受けました。

 

私も小さな頃から知っているとても大きな援助機関で働いていたことも悲しく思いました。もちろんこういった人たちは数は多いかもしれませんが、全体の割合でみたらごくごく一部だと思います。

 

こういった組織で働く多くの方々は、それぞれの現地政府との難しい折衝をやり、世界情勢と現地で起きている現実を的確に分析をし問題解決に向けて日々働かれていると思います。

 

こういった組織以外にも権力者と呼ばれる多くの人たちの性犯罪を含む犯罪は想像していた以上に多い現実もショックでした。その後裁判もうやむやになって罰を受けない場合もあり。( ある権力者に知り合いの私もよく知っている7歳の子供がレイプされ、彼は何回か子供のレイプを繰り返していましたが、彼はその後仕事で昇格までしていた場合も。)

 

どんな高尚と呼ばれる仕事をしている人や地位がある人でもイコール人格者であるわけではなく、一定の割合でこういう人がでてしまうことは現実避けられないかもしれないと思うと同時に、少しでもこういったことが世界から減ることを願っています。

 

助けが必要な人が更に苦しみを受ける世界ではなくて、少しでも支援を受けることができれば、人としていけないことはいけないと考えれる子供たち、スタッフたちが育ってくれればとも願いアシャンテママの活動を続けさせていただいています。

私自身ももっと多くのことを学んでいけたらと思っています。

 

ご支援をして下さる皆様には心からお礼申し上げます。

 

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(4)

バイクタクシー

 

普通のタクシーはモザンビークでもマラウィでも高額で、なかなか利用ができるものではないです。

 

その代わり、自転車タクシー(普通の自転車の荷台に乗せてもらう)が、近距離なら数十円から利用ができ現金収入のある、少し余裕のある人たちは利用しています。(貧しい人たちはひたすら歩きます)

 

私が8年ほど住んでいた町では、町内を循環するバスもないのですが、なぜか自転車タクシーもずっとなく、ない理由を何人かに聞いてみると、

 

「自分が一生懸命自転車こいでいるときに、後ろから客に襲われて自転車奪われたら困るから」という答えがよく返ってきました。

 

ですが、ここ数年でバイクタクシー(バイクの後ろに乗せてもらう)が登場し、安全面は別にして、「需要もあり、バイクを買う余裕のある家庭の人々なら始めることができる商売で素晴らしいなぁ」と思っていました。

 

経済力のある人々がビジネス用にバイクを所有し、バイク利用料を取りバイクタクシーの運転手にバイクを貸し出す場合も多いようです。

 

 

町中に増えたバイクタクシーですが、ここ最近毎日のようにバイクタクシーの運転手が襲われていると聞きました。この町だけでも毎月、何人かの運転手の遺体も発見されていることが続いていて。

 

客のふりをして、バイクの後ろに乗り人里離れた目的地に行くように言い、そこに着くとぐるになった強盗たちがいて襲われたり、客が隠し持っていたハンマーやなたで後ろから襲われ、バイクや売上金、携帯などを盗まれてしまうという手口が多いようです。

 

奪い取ったバイクは、遠くの町や村で売ったり、解体してパーツを売ったりしているそうです。

 

よく乗せてもらうバイクタクシーの運転手の男性が、

 

「僕たちだって何とか今日の夜家族で食べるご飯のために、朝から晩まで一生懸命働いているんだよ。誰が普通のお客さんなのか、それとも強盗なのか見分けるのは難しいよ。」

 

「ほぼ毎日同業者の運転手が襲われていて、どうすればいいのだろう。神に祈るしかないよ。バイクや携帯を奪いたいのなら、何も殺さなくてもいいのに。せめて襲うだけにして欲しい」

 

と言っていて、とても悲しくなりました。

 

自分が乗せているすぐ後ろに座っているお客さんに襲われるかもしれないと思いながら日々仕事をしていると思うと。。

 

 

 

ただ、少し変化が出てきたのかなと思った話も聞きました。

 

先月、隣の地区のある家に夜中に強盗がやってきて、警察に電話したらすぐに駆け付けてくれて、その場で警察が、強盗犯2人を射殺したと。

 

その場ですぐに射殺してしまうことは状況によって対応は分かれると思いますが、夜中に警察に電話して、警察がすぐ駆けつけてくれるということは、今までほとんど聞いたことがなかったので。。

 

(コネがある人々や権力者の家庭の場合は別にして)少しずつ状況は変わっていっているのかもしれないと希望を感じました。

 

どこに暮らしていても、一人でも多くの人が安全に暮らせることが出来る世界になればといつも思い、そのために地道にできること、現地でも厳しい環境にある子供達に教育や医療サポートを続けさせていただいておりますが、

 

貧しさからこういった犯罪の道に進んで行ってしまう子供達が出ないように、そういったことにもつながっていければと思っております。

 

ご支援を下さる皆様には心からお礼を申し上げます。

 

 

【写真】町から隣の村へ行く道

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(2)

嬉しい象のニュース

 

私たちが活動する州には、たくさんの野生動物が暮らしています。

 

活動している地域では見ることはないのですが、少し離れた地域に行くと、車が通る道でも象の糞がたくさん道端に落ちていて、夜間は象も付近を歩いているから危険、と聞いていました。

 

その土地に暮らす人たちは、野生動物からの被害もあり、象やライオンに襲われて殺されてしまった人々の話も時々ですが聞きます。

 

象たちも象牙目当てで、密猟ハンターたちに殺されてしまうこともよく聞きました。たくさんの象牙が運ばれていく先はアジアのマーケットと聞きます。

 

象のお肉も昔はよくマーケットで売っていて食べたけどすごい油っぽいと。

 

2011年にはこの地域では、約12000頭の象たちが確認できたのに、密猟より2016年には約3600頭にまで減ってしまっていたと聞いていました。

 

先月ニュースで、密猟により殺されてしまった象が過去2年以内一度も発見されなかった、との発表がありました。

 

この地域には、いくつかの密猟グループがいて、そのボスたちは、現地にネットワークを張り賄賂等のテクニックを駆使していたようですが、遂に、長年の現地政府とアメリカなどの支援団体の成果が実を結んだと。

 

以前、合法のハンターガイドをこの州でしているスウェーデン出身の友人から、密猟ハンターたちに殺され象牙を取られた、むごたらしい象の写真を見せてもらったことがあり、どうにかならないものかとずっと思っていたので、とても嬉しいニュースでした。

 

【写真】町から離れた奥地

 

 


栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(3)

まわりからの影響

 

以前、現地の知り合いに私が猫を飼っている話になった時、その女性は、

 

「家のまえで晩御飯作ってたら、むかつく痩せこけた猫がやってきて、おかずの煮干しを盗んだの。熱湯を思いっきり全身にかけてやると、皮膚がびよーんてなってすっごい声で鳴いておもしろかった。あのあと死んだかな。」と言いました。

 

私が「かわいそうに。。本当にひどい。。」と感情に任せて言ってしまうと、彼女はそう言われたことにただ純粋にとても驚いていました。

 

「私の飼っている猫は、私の家族で大切に育てていること、たとえ自分の猫じゃなくて見知らぬ猫でもたくさんの感情があって日々生きていて、助けてあげることがあったら助けてあげたいし、暴力ふるうなんてとんでもない」と話すと、さらにまたとても驚いていて。(価値観の押し付けになってしまったかもしれないと後から反省しました。。)

 

彼女は助産師さんを目指して医療学校に通うある程度裕福な家庭の20代の女性でした。

 

たぶん、彼女は小さな頃から今までずっと、たまたま猫をかわいがる人に会ったことがなく、猫は、人間の食べものを盗む敵という認識だったのかなと思いました。

 

猫にも人間と同じように感情があるなんてことを考えるきっかけもなかったのかなと思いました。(私もマラリアが怖い、刺されたらかゆい、音がいやと蚊を殺そうとする感覚に少し似ているのかなと思いました。)

 

アシャンテママの施設で飼っている犬たちを私が頭をなでてたり、子犬を抱っこしていると、当初子供達はみんな目が点になっていました。

 

犬に対してそんなことをする人は今まで見たことがないと。

 

それからすぐに数人の子供達はまねして、子犬たちの頭をなでたり、かわいがって遊んでくれるようになりました。

 

ここでは、狂犬病等の心配もあるので、野犬でなくともむやみに犬を触ることは絶対しないように伝えています。それにみんなが信仰している宗教のこともあり犬を触っている姿をみせるのはあまりよくないことかもしれません。

 

ただこういったことからよく思うのは、周りが与える影響はとても大きいなと思いました。

 

様々な家庭環境の中で育ち、厳しい現実の中で暮らす子供達ですが、これからも多くのいい影響を与えること、与えあうことができたらと思います。

 

 

【写真】アシャンテママの子供達宅の朝ご飯兼お昼ご飯

(主食でありおかずでもある)ゆでたカボチャ家族分

 

 

 

 

 

 

 

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(7)

資源のある地域で起こっていること

 

私たちが活動する隣の州には、世界最大規模の天然ガス(LNG)や、ルビー、金などが続々と発見されている地域があります。


ここの天然ガスの開発には、日本の大きな企業等も出資をしていて、将来日本への天然ガスの輸出が始まる予定です。


ですが、この地域では約2年半前から多くの襲撃や殺害が起こっています。


通っていた医療学校の元クラスメートも、約2年前にこの地域の診療所で夜勤勤務中に、襲撃され射殺されました。


襲撃は増え続けひどくなっていて、この2年半で殺された人は700人以上、家を追われた人たちは、少なくても10万人に上るといわれています。


先日、ブラジルからきてキリスト教の布教活動をしている友人から電話があり、襲撃され教会を焼かれてしまったと。(これは隣の州に隣接する私たちのいる州)


友人の親戚も、子供達を連れて身の回りのもの、持てるだけのものを持って襲撃された村から100キロ以上の距離をひたすら歩いて逃げてきたと。


その地域で働く別の元クラスメートも、遂に診療所で勤務を続けることが困難になり、そこの診療所で働いていた医療関係者全員が、大きな都市である州都に移動したと。


ニュースでも、人々の住む家だけではなく、警察署、病院、銀行や、小学校、中学校なども襲撃されていると。


元クラスメートが「僕はまだ頼る家族が別の地域にあったから逃げ出せてよかったけど、どこにも行く当て、逃げ場がない人たちは、その村にとどまるしかないよ。」

 

「その地域に暮らす人々は、いつ襲撃されるかわからないから、自分たちの家では怖くて眠ることができず、毎晩太陽が沈む前にブッシュの中に入って、暗闇のなか、みんなで息をひそめて草むらに隠れ、動物のように眠る日々だよ。」と。


数日前に、知り合いから襲撃の際の写真や動画が送られてきました。


焼け焦げて地面に転がっている遺体、斬首した首を持ち上げ叫んでいる若者、一輪車に積まれた遺体をナタで切り刻む人、転がった遺体を慣れた手つきで解体する人。


真偽は不明ですが昨日のニュースでは、45年前以上前に植民地支配からの独立戦争を戦った兵士たちが、この武装集団たちを30人以上殺害したと。


そして次の日に、残った武装集団たちが話し合いをしようと嘘をつき、地元の人たちを呼び、前日の復讐として50人から70人の地元の人たちを虐殺したというニュースもあり。(他のニュースでは、14人ほどが報復で殺害されたと。現地政府は今の段階では一切認めていない→追記 約10日後に同じ地域で52人の若者が虐殺されたと発表がありました。虐殺された理由は武装集団に入ることを強制され断ったため。)


この武装集団たちは、イスラム過激派(ISIS、アルシャバーブなど)を名乗っている犯人たちですが、彼たちの本当の目的は何なのか

誰が彼たちを影でサポートしているのか、謎も多く様々な疑惑や噂があります。

 

これがいい方向に進むか疑問ですが、アフリカの国々と軍事的影響力を強めるロシアに現地政府も軍事協力を求めました。

 


数年前に、ここで世界最大規模の資源が発見されたとき、明るい未来と共に暗い未来も予測されました。


なぜなら「資源の呪い」と言う言葉をみんな知っていたからです。


莫大な資源が発見された国々は、資源に頼り過ぎてしまい、変わりに他の産業などが衰退してしまい貧困の加速や、なによりの懸念はその資源をめぐって多くの血が流れる紛争、内戦が勃発することもあるからです。

 

私もコンゴ人の友人から、私たちが日常に使うスマートフォンなどの使われる材料の一つ、レアメタルなどの豊富な資源をめぐって20年以上前からコンゴのある地域では紛争が続いて多くの人々が土地を追われ殺害されていることをもうずっと聞いていました。


参入する海外企業と、ずっとその土地に先祖代々住んでいる現地の人々との土地問題、環境劣化、社会的格差、利権問題なども複雑に絡んできて。

 


早くこういったことで苦しむ人々が世界中でいなくなるよう祈ることぐらいしかできませんが、先進国に暮らす私たちが恩恵を受ける資源開発などの裏で、何が起こっているか知らなければいけないと思いました。


この武装集団は、仕事がなくてお腹を空かせている貧しい若者たちを私たちの活動する州でもリクルートしているとも聞きます。


せめてアシャンテママの子供達には、決してそういったグループに入っていってしまわないように、そういった教育の大切さなども、これからも伝えていけたらと思います。


いつもご支援本当にありがとうございます。

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(3)

様々な家庭環境

 

去年から新しくアシャンテママに通い始めたナディアと言う名前の痩せた女の子がいます。HIVに感染していて抗レトロウィルス薬を服用している子で、珍しく隣の州から引っ越してきた子でした。

 

初めて会ったとき、現地の言葉は話せませんが、公用語のポルトガル語を話せて、やはり発展している州の子は違うなぁと思っていました。

 

ナディアのご両親はもう亡くなり、兄弟も亡くなっていて、おばあさんに連れられて叔母一家を頼ってこの町にやってきました。

 

ナディアを一生懸命世話をしていた、このおばあさんも先日亡くなったと聞いて。今は、アシャンテママのすぐ隣に住む叔母一家に育てられて、授業が無い日でもアシャンテママの教室によく遊びに来ています。

 

ナディアに一回、兄弟のことを聞いたことがありました。そしたら、「私の見ている目の前で、お母さんもお兄ちゃんも夜、家に強盗が入ってきてナタで刺されて殺されたの」と。

 

あとでおばあさんに聞いてみると、「そんなことはなかったよ。病気で死んだの。」と否定していました。どちらが本当なのかは結局わからないままですが。。

 

大切な家族を何人も亡くしているナディアがこれからも楽しい子供時代を過ごし、成長してくれることを少しでも長く見守らせていただけたらと思います。

 

【写真】子守りをしながらアシャンテママに通う女の子たち

 


栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(9)

現地の夜

 

アシャンテママの施設のあるマラウィの村。ここでは、両親、あるいは片親を亡くした子、障がいと生きる子供達202人が通っています。

 

まだ電気は通ってない村ですが、日中はとても暑い地域で、気温が下がって涼しい夜に、月明りの中を歩いて、少し離れた水汲み場まで水を汲みに行ったり、月明りの下で近所の人たちが集まっておしゃべりしたり。

 

マラウィは物価の高騰や地球温暖化などの影響で作物の収穫量が減ってしまったこと、まだまだ衛生的ではない環境、食べるものが限られている日々。

 

それでも、子供達の小学校進学率、小学校卒業率も上がり、蚊帳はほぼ全部の家庭に支給され、マラリアで亡くなる子達も以前より減り、アシャンテママの村に関してのみ言わせていただくと、強盗が家に押し入ってくるなんてことはなくなりました。

 

 

一方、隣国モザンビークにあるアシャンテママのある町では、まだまだ安全の面でも多くの問題を抱えていると思います。

 

昨晩もルーシアさんやマニュエルさん(アシャンテママの現地スタッフ)と話していると、子供達の様子以外にも地域の状況を話してくれて。

 

毎晩、強盗たちが誰かの家に押し入り、金品を奪っていき、時には奪われた挙句殺され。夜8~9時過ぎ以降は、みんな一切家からでないようにして、多くの人々は不安の中眠る日々だと聞きました。

 

ただ夜になると、現地の警察が有志の若者たちと、しっかり見回りをするようになったと聞いて少し安心しました(現地スタッフによるとそれでも毎晩どこかで襲われている人たちがいるそうですが)。

 

人を殺したり監禁したり、アシャンテママの畑を奪った強盗グループの中の一人と、以前、土地のリーダーたちも含めて、一緒に話し合いをしたことがありました。

 

彼は、自分で土を固めて燃やしてレンガを作って売る商売もしていました。それでも生活が苦しいからと夜な夜な人を襲っているようでした。

 

そういう人たちに対してなにをすればいいのか、ただこういう人たちを一人でも出さないような教育を、アシャンテママで続けていくしかないと思っています。

 

いつもご支援本当にありがとうございます。

 

 

【写真】アシャンテママの子供達、授業の後に撮った写真

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(2)

お守りのようなもの

 

モザンビークのアシャンテママに通う子供達の中に、皮で出来ているような、小さな袋のついた首飾りをしている子供達がいます。

 

飾りには色々なパターンがあるようですが、ひとつの例は、亡くなってしまった母親が身に着けていたカプラーナ(腰に巻いて履くスカートのような布)の布切れをこの袋のなかに入れているようです。

 

これを身に着けていると、亡くなった母親を恋しがって泣くことがなくなるように、との願いを込めて。。

 

日本と同じように、おまじないというか、お守りというか、そういった効果のある首飾りのようです。

 

伝統治療師さんや呪術師さんに、お金をいくらか払って作ってもらえるそうです。

 

 

写真

アシャンテママの施設に通っているおとなしい男の子も首に着けています。

 

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(2)

コンゴ人の友人


もう10年ぐらいの付き合いになるコンゴ人の友人が二人います。

一人は、アメリカ人の友人に連れられて訪れた

日曜日の教会で知り合いました。


近くに住んでいたこともあり、

一緒に教会に行こうと私の家に来てくれた時、

うちの犬の頭を自然になでました。


私が住んでいた場所では、

犬を怖がる人、石投げてくる人はいても、

犬の体に触れる人はめったに見たことがなかったので

とても驚きました。しかも頭をなでてくれるとは。。


イスラム教の人が多いからが主な理由なのと、

狂犬病、破傷風もあり危険なため、

犬を触る習慣がない人が多いと思います。


アシャンテママでも子犬が産まれて、

私が「かわいいかわいい」となでたり抱っこしていると

子供達は最初びっくりして目が点になっていました。


それから何人かの子供達も慣れてきて、

子犬と遊んだり抱っこしたりするようになりました。

(ただ狂犬病等があるので、知らない犬は絶対近寄ったり、
触ってはだめと伝えています。)


このコンゴ人の友人は、

難民キャンプにいたときに、

大勢の人に囲まれて歩く、緒方貞子さんを見かけたと。


豊かな資源をめぐってコンゴが内戦でボロボロになったとき、

どこかで流れてきたラジオの放送で、

流ちょうなフランス語でこの内戦や

その裏にあるものなどを分析していた人がいて

その発言はとても的確だったと。

それが日本人だったとも教えてくれて。


コンゴが内戦になったとき、

彼も自分の家族、村を守るために

マイマイ(民兵)だったと教えてくれました。

武器を持って戦って、人を殺したと。


その話を聞いたとき、

いつも教会で熱心にお祈りをし、聖書の話をしてくれて、

目の前で犬をなでている彼と、

彼の過去がうまくかみ合いませんでした。


今でも時々連絡を取っています。

今現在も、難民キャンプで起こっている理不尽な状況を聞き、

何もできない自分がもどかしい気持ちでいます。

 

 

 

栗山さやか | 色々な国の人々 | comments(3)
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